大人も子どももハマる「ブロック(積み木)」
子どもの頃によく遊んだ、おもちゃの定番といえば積み木やブロック。
かくいう自分も、小さい頃は積み木で遊び、大人になりレゴ・ブロックのスターウォーズシリーズにハマり…汗、やはり大人になっても楽しいものです。
ということで、物置から昭和レトロな積み木が見つかったので、積み木について調べてみました。
積み木の始まり
積み木とは、種々の形状の木片・プラスチック製の立体物などを積み重ね、さまざまな形を作る幼児玩具です。
積み木は、1838年に幼稚園の創始者として有名なドイツ人のフリードリッヒ・フレーベルが考案したしました。“恩物(おんぶつ)”のうちの1つです。
恩物とはドイツ語“Gabe(ガーベ)”の訳語、神から授けられたものという意味の語で、フレーベルの考案した20のシリーズからなる遊具。幼児の自発的活動を促し、表現力や創造力を養うためのもので、球・円筒・立方体・板・ひも・棒など単純で基本的な形のもので、それらを使って多様なものをつくりだすことのできる玩具でした。
日本にも1876年(明治9年)に幼稚園が開設されて以来、教育現場で長きに渡って用いられてきました。
ちなみに、その中の一つに日本から伝わった“折り紙”もあったとか。
玩具を表す言葉で、英語のtoyには“くだらないもの”、フランス語jouetには“わらいものになる”、日本でも“悪さ道具”などと軽視されがちでしたが、18世紀頃から子どもの人権を認める風潮がしだいに生まれ、玩具の教育的価値が見直されました。日本でも、明治中期に“教育玩具”という言葉が生まれています。
1962年、デンマークの玩具会社が開発した「レゴ・ブロック」が、また同じ年に河田(現・株式会社カワダ)の「ダイヤブロック」発売され、プラスチック・ブロックは徐々に浸透していき人気になっていきました。
自己結合機能を持つプラスチック・ブロックも、それらの原型と成った積み木も、優れた知育玩具として幼児の発育に高評価を得ています。
積み木がもたらす効果
◆手先の器用さやバランス感覚や調整力を身につけることができます。
適当に重ねると崩れてしまう積み木は、角と角を合わせたり重心を真ん中に揃えるなどの繊細な作業や、慎重に積まないと崩れてしまうので優しく触れるということが必要です。そして、自分をコントロールする能力が身につき、崩れてもやり直しでき試行錯誤を重ねることで思考に柔軟性も養われます。
◆想像して遊ぶ、おもしろさが育ちます。
積み木が少なくても高さが出せるなど、作業の効率化が意識できるようになると、子どもたちは今度は人形や動物などを組み合わせた「ごっこ遊び」を広げていきます。どんなものにも見立てることができるため、より想像力が豊かになるといわれています。また、頭のなかで思い描いた形を積み木で表していくことで、同時に計画性も得られます。
◆物理感覚の基礎が身につきます。
多い少ない、高い低い、2分の1や4分の1という感覚を積み木という遊びのなかで自然と学習でき、数や形をイメージする感覚が養われます。直接触れて、肌感覚をともなった体験を積み重ねることで、小学校での学習の土台にもなります。
積み木は箱に戻すとき、きちんと考えて入れないと、ちゃんと収まらないようになっていて、お片付けは、数学的な感覚や空間認識能力が養われます。
出典:恩物
出典:積木
出典:恩物Wikipedia
出典:積み木の選び方
万能おもちゃ、積み木
2020年(2021年開催でしたら古代ギリシャ暦で記念すべき第700オリンピア紀に当たります)東京オリンピックのメインスタジアムをはじめ、世界でも有名な建築物を多数手がける建築家、隈研吾氏は、積み木遊びが建築家を志す大きなきっかけにもなったとか。そんな隈研吾氏が設計した杉の無垢材で作られたシンプルな「つみき」が発売されているそうです。
積み木は、出産やお誕生日のお祝いでプレゼントすることも多く、子どもにとって初めて触れる知育玩具であり、発達に応じてさまざまな遊び方ができるため、とても長い期間愛用できるおもちゃです。
ちなみに、最適な積み木は、色付きではなく白木のもの、パーツは立方体や直方体が沢山ある同じ体積の1セット+円柱や三角柱が少しの面取り(角を丸くする処理のこと)がないものが長く遊べておすすめだそうです。
他のおもちゃにはできないことがいっぱい詰まっているという積み木は自然にいちばん近いおもちゃとされ、“室内の砂場”とも呼ばれています。そして、本当にいい積み木はどんなものをつくっても美しいといいます。
そんな沢山の学びと刺激を与えてくれる積み木遊びは、幅広い感性を育む“万能おもちゃ”なのかもしれませんね。
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