1/12の不思議な魅力
ミニチュアサイズに縮小した模型の家や家具・小物などを総称したもの、精巧に作られた小さな世界をドールハウスといいます。
考えてみれば、日本では雛飾りや箱庭(ミニチュアの庭園)・盆栽も、そしてジオラマもドールハウスですね。
子供のお人形遊びアイテムだけではなく、アートとして美術工芸品として、その現実そっくりの小さな世界の不思議な魅力はどこにあるのでしょう。
ドールハウスの始まりは?
ドールハウスの始まりは、ヨーロッパで16世紀の初め頃と言われています。
当初は貴族や富裕層が、家に伝わる家具のミニチュアを作り、それらを飾る棚がドールハウスになったと言われています。
また子供の教育のためにも用いられていたそうです。
18世紀末ごろ世界各地で産業革命が起き、既製品も出回りはじめて一般庶民の間にも普及していきました。
1924年イギリス「メアリー女王のドールハウス」(1500名のアーチストが3年の歳月をかけDollHouseを制作した)の制作にあたり1フィートをインチに換算して作られた事から以降12分の1サイズに統一されるようになりました。
19世紀半ばには、庶民の家やお店がドールハウスとして作られ、ドールハウスは瞬く間に世界各地へと広がりを見せていきました。
出典:日本ドールハウス協会
日本には1970年代後半に入って紹介されたようです。
元々日本のものではないドールハウスも日本人の箱庭趣味にマッチし、手先の器用さと相まって、人気が広がっていったのだろうなと思います。
ちなみに、アメリカのコレクターたちは縮尺に厳しく、少しで大きいものは「トーイ(おもちゃ)」「ジャンク(がらくた)」などと呼ばれ、ドールハウスとはっきり区別されているそうです。
ドールハウスの魅力
「クラフトの王様」と称されるドールハウス。
集めて楽しむ人、作って楽しむ人、両方楽しむ人、観て楽しむ人とそれぞれに違う楽しみ方がありますが、すべての人に夢を与えてくれるように思います。
その小さな小さなミニチュアの美術工芸品の世界を覗き込めば、実際そこでは生活できない偽りの空間ですが、自然とその中での暮らしや様子を想像し、あたかもそこにいるような錯覚を起こさせることが魅力ではないでしょうか。
また、ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」でもドールハウスが登場しますが、あんな風に小人が住んでいたらなーとメルヘンチックに想像するのも楽しいですね。
プレゼントとして
ヨーロッパでは女の子が生まれると、多くの家がドールハウスを用意するそうです。少し日本のお雛様に似ていますね。
家具や人形は一度に買わず、成長とともに少しずつ買い足して、遊びながら家政や家事を学んでいくという習慣だそうです。
でもやはり、家具や人形が付いているドールハウスセットで遊びたいもの。
なので、子どもには豊富なパーツがセットされた出しっぱなしでもカワイイような木製のナチュラルなものが、インテリア性もあって贈られるお子さんのお母様も喜ばれそうです。
大人用には、手軽にできる手作りドールハウスキットなど色々な種類が出ています。意外と憧れていてプレゼントをしたら喜ばれるかもしれませんね。
自分はとても喜びますが!
★みーちゃん作、ドールハウス★
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