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何気なく使っていた螺鈿の箪笥

何気なく使っていた螺鈿の箪笥

何年か前に骨董屋で買った、螺鈿(らでん)細工蒔絵の装飾の施された黒漆の小箪笥(錠前鍵付き)です。
年代は不明ですが、宋・元・明・清時代の唐物(からもの)の中国美術品でしょうか、不明です。

螺鈿の小箪笥
螺鈿の小箪笥
上部の蓋を開けると鏡が付いていて内部は小物入れ、観音扉の中は引き出しが3段、下部は引き出し1段。

今は、ジュエリーケース&ガラクタ入れとして重宝している小箪笥です。
ということで、実は知らなかった、この装飾の螺鈿(らでん)について

螺鈿とは。美しい光沢の秘密

螺鈿(らでん)とは、貝殻の内側にある光沢を帯びた虹色の部を、薄く磨き板状にして柄や模様を表現してはめ込んでいく技法で、数ある伝統工芸品の中でも特に美しいとされる漆工芸品の加飾(表面の塗装)法とされています。

“螺”は螺旋状の貝のことで“鈿”は飾ったり散りばめたりすることを意味しています。

螺は貝、鈿は物を飾るの意で、貝の真珠質の部分を文様に切り、平らにみがいて漆地または木地にはめこんだり、はりつけたりして装飾したもの。日本には奈良時代に唐の技法が伝えられ《螺鈿紫檀五絃琵琶》などすぐれた遺例が正倉院に多数ある。

引用:コトバンク

材料の貝は、夜光貝(やこうがい)・鮑(あわび)・蝶貝(ちょうがい)などを使用します。また、亀の甲羅や珊瑚や琥珀も使われた場合もあったようです。
デザインにより、着色したり彫刻を施したりするようです。

貝には厚貝と薄貝があり、厚貝は乳白色で真珠のような光沢、薄貝はその膜により青や赤や虹色の変化があります。歴史的には厚貝が最初でしたが薄貝により青い色が出るようになってからは、螺鈿といえば青貝ともいわれるようになりました。

螺鈿の歴史

起源は古く、古代エジプトの紀元前3500年頃の装身具や器物に貝細工がみられるそうです。

日本では9世紀頃の奈良時代に中国の唐から伝わり(楽器の装飾)、平安時代には技術が非常に進歩し(蒔絵や調度品、建築の装飾)中国の宋にも輸出していたそうです。
鎌倉時代になると鞍の装飾として人気を得、安土桃山時代(蒔絵や調度品、コーヒーカップ)にはヨーロッパとの貿易で飛躍的に成長し、それらはヨーロッパの人々に高級品として高く評価されました。
江戸時代は、調度品や装身具、刀装具などに多用されていたようです。鎖国により貿易は縮小されましたが人気を博したまま現代にいたるそうです。

螺鈿の小箪笥

美しい輝きを放つ螺鈿

一つとして同じ形のない貝殻を、職人の丁寧な技で細かく繊細な模様を表現し作り上げていく螺鈿細工。
長く手間がかかるであろう美しい螺鈿の芸術品は、時代や価値観をも超える普遍的なものとして多くの人に愛されているそうです。

その印象的な輝きを、ふと見惚れてしまいそうな、日常にさりげなく添えることができるお気に入りの一品を探してみてはいかかでしょうか。

富山の伝統工芸「高岡漆器」の螺鈿小箪笥