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日本人なら誰もが所有する「家紋」という名のロゴマーク

日本人なら誰もが所有する「家紋」という名のロゴマーク

家紋とは先祖から代々伝えられてきた家を表す紋章で、いうなれば「家のロゴマーク」、その数は約5000種類、さらに細かい違いまで区別すると2万種類もあるといわれています。

家紋
丸に蔓柏(まるにつるかしわ)

これは、かなり前にじいちゃんのご所望で、手書きにて制作した家紋、丸に蔓柏(まるにつるかしわ)です。

古くは柏の葉に食べ物を盛って食器代わりとしていた。それを神に捧げていたことから、柏が「神聖な木」とみなされるようになった。柏紋を最初に使ったのは、神社に仕えた神官だったともいわれ、現在も神職に多く見られる家紋。

出典:家紋ドットネット

家紋のちょっと歴史

起こりは平安時代後期、朝廷に仕える貴族(公家)達が、自分好みの“文様”を装飾として衣服や家具等にあしらって使うようになったのが、きっかけのようです。
次第に貴族達が自分の牛車をいち早く見つけ出すための自分好みの“紋”という目印をつけ、さらに優美なデザインになり周囲に披露し歩き回り始めた、それが「家紋」の由来とされています。
さらに「家紋」はその一代きりではなく、その家を象徴する目印として自分の子孫達に次々に受け継がれていくことになります。

武家に家紋が広がっていったのは、平安時代後期の源平合戦で源氏は白旗、平氏は紅(赤)旗と分かれて戦をしたのがきっかけで、鎌倉時代以降、多くの武将が戦に加わるようになると旗の色を決めるだけではなく、ほとんどの武家が「家紋」を持つようになります。戦の後に正しく論功行賞を行うには、どの武家の兵がどんな働きをしたか、正確に把握しなければならないという理由から旗や陣幕に“目印”をつけるようになったのが武家の「家紋」のはじまりといわれています。
そして、武士が戦で使っていた家紋は、身分・所属を表すとともに軍の団結を象徴するものになりました。
ちなみに、源平合戦の色分けは、運動会の紅白の色分けの起源といわれています。

十大家紋
十大家紋(じゅうだいかもん)は、日本の家紋のうち、広く用いられている10つの家紋。柏紋、片喰紋、桐紋、鷹の羽紋、橘紋、蔦紋、藤紋、茗荷紋、木瓜紋、沢瀉紋

江戸時代になると、庶民の間にも家紋が普及していきます。当時武家や公家以外の庶民は、公的には名字を持てなかったので、家紋や屋号を“家”としての目印や標識・名刺代わりとして、名字のように用いることが多かったようです。
職人にとっては「印・銘」は製品のブランド・品質と責任を示す上でとても重要なもので、それが家紋になったり、優秀な工芸品については将軍や幕府から印を与えられたりもしました。
商人にとって大切なものは「屋号」、これを“紋”にして暖簾(のれん)に染め出し、それがその商家の家紋になっていきました。現代の大企業である三井グループ、島津製作所、三菱グループなどが有名です。
なお、低い階級に位置づけられた者まで自由に家紋を用いることができましたが、家紋を見るだけで相手の身分が一目瞭然だったともいわれています。また家紋入りの羽織や裃が正装として一般的になったのもこの時代です。

家紋
豊国神社、明治神宮、備中松山城 破風、着物 留袖

庶民でも自由につけることができた「家紋」、これは貴族などのごく一部にしか許されていなかったヨーロッパやアメリカの「紋章」とは大きく異なる習慣です。

明治維新後、全ての庶民が名字を定めて名乗ることになり、明治5年に本格的な戸籍が編製されます。そして、まだ家紋を決めていなかった者も、名字とセットのように家紋を決め、家紋入りの紋服の着用や墓石に家紋を彫るなど、ますます家紋が身近なものとして定着していきました。
出典:家紋の由来とは?

最後に

1000年の歴史を持ち受け継がれてきた、日本人なら誰もが所有する「家紋」。
古くから花鳥風月を大切にしてきた日本人は、草花や鳥、動物など、それぞれの特徴を的確に捉え、それらを見事なまでにシンボライズさせシンプルに表現しています。
そのデザインは世界的にも評価されているそうです。ルイ・ヴィトンのLVの文字と花と星をあしらったこモノグラムやフランス人デザイナーが制作した日本航空の鶴丸紋をアレンジしたロゴマーク(JASとの合併前)など有名です。またウィーンの巨匠クリムトの絵画にも描かれています。
家紋に見られる巧みな造形表現・視覚的表現は、世界に誇る日本の文化遺産なのかもしれません。

現代では伝統芸能や祭祀、老舗においては脈々と家紋は大事に受け継がれています。そして少なくはなりましたが冠婚葬祭における家紋入りの礼服を着る習慣も残されています。
家の家紋にも由来があり、歴史があります。どこかロマンを秘めた家紋の由来、探ってみるのもおもしろいかもしれませんね。

AppStoreアプリ ダウンロード:家系図 by 名字由来net 日本No.1 100万人

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