もはや1年中ある「かき氷」を美味しく!
ネットオークション等でも注目度の高い、今なお根強い人気を誇る「きょろちゃん」手動式かき氷機の、1981年製トムとジェリー“きょろきょろジェリーかき氷機”です。
昭和51年(1976年)にタイガーから最初に販売された、何代目かのモデルだと思います。
2016年に3代目が復刻され2018年に販売が終了しましたが、なんとも昭和レトロ感があふれる表情と、お目々がきょろきょろ動いて作るときからワクワクが始まる“きょろちゃんかき氷機”は、かなり話題になりましたね。
一番おいしく感じるのは夏ですが、最近は一年中かき氷を味わうことができますね。ということで「かき氷」について
天然氷や純氷のかき氷って美味しい⁉
天然氷や純氷で氷を作ると透明な氷ができます。不純物がないので、水分子が規則正しく並んで結晶になるからです。この透明な氷は、硬さや品質も均一なので、かき氷器が均等に氷を削ることができ、ふんわりとした美味しいかき氷になります。
透明な氷を作るのは時間がかかる
不純物が比較的少ないといわれる軟水や沸騰させた湯冷ましの水を製氷器に入れ、ちょっと固まったら表面を水で洗い流して不純物を除去しながらを繰り返します。結氷まで48時間前後かけるのが良いそうです。因みに、天然氷は、あの厚みにするまで2週間ほどかかるといわれています。
溶けかけの氷を削るとおいしい⁉
表面がうっすらと濡れているような氷は柔らかい状態(氷としては温度が高め)で、刃を当てると、かつお節のようにすーっと薄いスライス状に削ることができます。なので、ふんわりとした食感の美味しいく感じるかき氷を作ることができます。
一方、冷蔵庫から出したての氷は硬いので、削るとじゃりじゃりとした食感になってしまいます。
そのため、かき氷店では暫く氷を出したままにして温度を調整しているそうです。
ふんわりと削った「かき氷」はキーンとしない
口の中へ想定以上に冷たいものが入ったことにより刺激が強すぎて、誤って脳に“痛み”として伝わると考えられています。
氷としては温度が高めのふんわりと削ったかき氷は、一度に口に入る量も少なく口溶けも速いので、口の中が冷たくなりすぎずキーンとなりにくいです。
一気に口に入れず、ゆるりと味わうのが良いですね。
「かき氷」のちょっと歴史
最初のかき氷屋さんは、明治2年(1869年)横浜の馬車道通りに開いた“氷水店”だといわれています。日本のアイスクリーム(当時:あいすくりん)の発祥店でもあります。
明治20年(1887年)には、村上半三郎が氷削機(ひょうさくき/かきごおり機)を発明し特許を取得します。
そして、栃木県日光市や秩父地方の東京近郊では天然氷屋さんが次々に創業しました。
『明治事物起源』によると、明治24年8月の東京・神田小川町の氷店では、氷水のほか、氷あられ、氷蜜柑水、レモン水、氷白玉、薄茶氷、氷しるこなどのメニューがあったようです。
竿を担ぎ「ぶっかき氷~」と売り声を上げながら売り歩く「氷売」もいました。暑い夏のこの売り声は、庶民にとって何よりもうれしいものだったことでしょう。
参考文献:『明治事物起源』クレス出版
「かき氷」の魅力
かき氷の魅力は、おいしさに加え、氷の涼し気な美しさにもあります。
明治時代には、小ぶりで着色したモノや、水玉などの模様をつけたりした足つきのガラスの器など、色や模様もさまざまなかき氷専用の器が生まれました。
かき氷あります!と一目でわかる氷旗にある波に千鳥のモチーフもしゃれています。
溶けてなくなる儚い氷に重ね合わせて、日本人独自の美意識で楽しんでいたのでしょう。
1,000年以上も前の平安時代に登場した「かき氷」、現在はバリエーションが豊かに進化した「かき氷」、手動式かき氷機で、器を少し凝って、ふわふわのひんやりを楽しみたいですね。
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