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キーホルダーや鍵のお話あれこれ

キーホルダーや鍵のお話あれこれ

鍵を一つにまとめて束ねておけば、携帯しやすいだけでなく鍵を紛失しにくくなる便利なアイテム、「キーホルダー」。
ちなみに、「根付け(英語でも、Netuke)」は煙草や印籠を繋いだもので、似ているけど違うものです。
キーと言えば鍵ですが、昔のおばあちゃん家はあまり鍵を掛けなかったような…誰かしら家にいたからかもしれませんが。
なので、鍵はいつから掛けるようになったのか、など探ってみたくなりました。

キーホルダー
1997年製のハクション大魔王とオバQの鈴キーホルダー、リアルなサッポロ一番カップスターしょうゆ味のキーホルダー、そして10代の時に買ったかなり古い星座のキーホルダー

鍵や錠前の歴史

世界で最も古い鍵は、紀元前2000年頃のエジプト錠と呼ばれる木製のもので、すでに現代の錠前に通じる仕組みを持っていたようです。
さらに古代ローマ帝国時代には、鍵を差し込んで回す金属製のものが作られていたそうです。

日本では飛鳥時代の7世紀中頃、大阪府にある野々上遺跡から海老のような形をしている「海老錠」と呼ばれる錠前が出土しています。
東大寺の正倉院にも8世紀頃に唐から伝わったと思われる「海老錠」が納められています。

なお、扉に付いているのが「錠前」(LOCK)で、持ち歩くものが「鍵」(KEY)、鍵穴にあたる部位はシリンダーと呼ばれ、鍵を掛ける(締める)とよくいいますが、正確に言い表すと…錠前を掛ける(締める)になるそうです。

飛鳥時代からあまり変化はなかったようですが、江戸時代になると徳川家康により貨幣制度(三貨制度1600年頃)が全国統一され商業が盛んになり、錠前や鍵を専門の職人の手で作られるようになります。
商家では、蔵や箪笥(下部に車輪がついた車箪笥やカラクリが施さた帳場箪笥)を金庫(日本の金庫の起源)のように使う場合が多く、そこに鍵が必要とされました。また、城門の閂(かんぬき)には頑丈な錠前が備え付けられました。あと、鍵を掛けるのは当時の金持ちが蔵に掛けるぐらいで、庶民にとっては、治安は比較的よかった上に用心する際はほとんど心張り棒で戸締りをしていたので鍵は必要としてなかったそうです。外出時は近所に声をかける程度だったとか。
刀があちこちにある世の中でしたから、泥棒よりももっと気をつけなければならないことがあったのでしょうね。

明治後期から大正時代(1900年頃)になると、洋風の建築(官庁、銀行、デパート、病院など)が増え、ドアも引き戸から開き戸に変化し西洋風の錠前の需要が高まっていきました。
昭和に入ると、それまで輸入に頼っていたシリンダー錠の開発が国内で進み製造されるようになります。ちなみに、国産第1号は1914年(大正3年)に「白玉鍵」と呼ばれるノブが白磁の錠前が誕生しています。
大戦がはじまるとその発展は足止めされますが、昭和30年代からの高度経済成長期になると都市開発が進み団地や大量の洋風住宅が造られるようになります。その時に洋風の開き戸が一気に広がり、簡単にドアに取り付けられる円筒錠(鍵穴がノブの真ん中にある円形の錠前で、室内側ノブのボタンを押すとロックされる)が普及し始めました。
以後、便利でよりセキュリティの高い鍵がどんどん開発されていきます。
出典:鍵とドアの歴史/YKK AP(株)
出典:

キーホルダーとは

もともとは家の壁やドアの付近に取り付けられている小さなフック付のハンガーのことで、いつからこのような呼び名になったのかは不明です。
キーホルダーという名称は和製英語で、カギを束ねて保持するための補助器具という意味でキーケースからきているのかもしれません。
英語圏では、キーリング(=Keyring)、キーチェーン(=Keychains)、キーフォブ(=Keyfob)という言い方をしています。
キーリングは、1800年代初頭に英国のサミュエル・ハリソンによって発明されました。金属片でできた二重のループ構造のものでループの端の一方をこじ開けて鍵を通してループが完全にかみ合うまでスライドして鍵を装着します。当時は、鍵をなくす人が多く、画期的な商品だったそうです。
キーチェーンはそのキーリングに鎖(チェーン)を付けたもの、キーフォブのフォブ(fob)は誰のものか識別できるように先につける飾りで、装飾性の高いものを指して呼ばれています。
海外ではキーチェーン(Keychains)が一般的な名詞になります。

キーホルダー
キーリング、キーチェーン、キーリングに鍵をつけたところ

そして、戦後に値段が安くて加工がしやすいプラスチックの登場により、キーホルダーは広告用のアイテムとして注目を集めるようになりました。
ノベルティあるいは粗品など広告のために無償で配布されるようなかたちで始まったのかもしれませんね。
出典:キーホルダー

キーホルダー
浅草の合羽橋道具街で買ったリアルな寿司キーホルダー、イクラ、えび、うに、大トロ、マグロ、アジ、玉子

最後に

暗証番号式の電子錠や指紋認証の鍵、そして工事不要でスマホを操作しなくていいハンズフリーで開け締めできるIoT(Internet of Things)機器など、鍵の使いやすさを求めた利便性や防犯性やセキュリティの向上を追求し続ける限り、今後、更に鍵の進化は続くものと思われます。
現金もデジタル化やキャッシュレス化に変わりつつある今、鍵やキーホルダーも不要となる時代も近いかもしれませんね。
又、理論上は実証(量子レベルでは)されている「ドラえもん」に登場する“どこでもドア”、登場まであと100年といわれていますが、この頃の世界は全てが変わっているかもしれません 。

鍵にまつわる話

鍵で思い出しましたが、10年くらい前の話。お寺の二つある宝物庫の内の一つの中身が盗難に遭った。元来、お寺や神社には不吉な物や呪物などを時間をかけて御祓いするために厳重に施錠して保管しておく宝物庫が多々あります。この厳重に施錠してある方から所謂“いわく付き”の日本刀と金の仏像が盗まれたそうで、その頃お寺や神社の宝物庫への窃盗事件が増えており大半が外国人の窃盗団によるものでした。そして多発していた窃盗事件は“問題のある品物”の方が多かったそうだ。和尚さんいわく、そのような物が集められた所へ行っても縁を持ってはいけないのだそう。この話をしてくれた人は、仏像に関係しているあの国だろうと言っていましたが、わかりません。実話だが“知らぬが仏”なのかな。“触らぬ神に祟りなし”かもね。

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