ローズ・オニールによる「キューピー」
日本のキャラクタービジネスの火付け役と言われている、キューピーマヨネーズでおなじみのマスコットキャラクター「キューピー」。
1909年、アメリカのローズ・オニールによって誕生しました。 婦人向けの雑誌にポエムの挿絵として登場したのが始まりだといわれています。
1910年には、ライト兄弟の初飛行に使用された飛行機にキューピーが描かれ、そのイラストがアメリカ中に広まったことによりブームとなりました。
その後、当時の様々な物語や世界観にキューピーは起用され、イラストのキューピーはおもちゃとして人形(1912年にアメリカで発売され始めたそうです)にされたり、絵本に登場したりと世界的に広まるようになります。
名前の由来
ローズ・オニールが「ローマ神話に登場するキューピッド(Cupid)は、人々のこころにいたずらをするけれど、わたしのキューピーには愛だけをはこんでほしい…」という願いで、キューピー(Kewpie)という名前を考えだしたそうです。
出典:日本キューピークラブ公式ホームページ
日本ではいつ登場した?
ローズ・オニールがキューピー人形の製造をドイツへ依頼していましたが、第一次世界大戦(1914年-1918年)の影響をうけ工場が閉鎖。その後日本へ依頼がきました。
なので、日本へは大正時代半ばに来たと思われます。
世界的にも人気だったキャラクターの「キューピー」を取り入れたのは、マヨネーズを日本に持ち込んだキユーピー株式会社の創業者、中島董一郎(なかしまとういちろう)氏でした。
1925(大正14)年、「おいしく、栄養のあるマヨネーズを、生活必需品となるまで広く普及させて、日本人の体格と健康の向上に貢献したい」という想いで、卵黄タイプで栄養価の高い「キユーピー マヨネーズ」を発売しました。ブランド名には当時、人気だったキャラクターの「キユーピー」を採用しました。
引用:キューピーの歩みと未来
因みに、キューピーマークの商標登録は日本では1922年に、アメリカでは1965年に完了しているそうです。
そして、1957年に社名を「キユーピー株式会社」に変更しましたが、小字を用いた「キューピー」ではないそう。
1919年(大正8年)に設立なので、今年で祝100周年です!
キューピーといえば
今ではキューピーと言えば、マヨネーズを連想させるほどですが、CMやパッケージ等のデザインにとても力を入れていたのですね。
可愛いしぐさ、ほのぼのとした雰囲気、心を和ませるキューピーは、安心で安全なイメージがあり食品広告には打って付けのキャラクターだったのでしょう。
余談ですが、マヨネーズでは、最も歴史の古いキューピーは卵の黄身だけを使用しており「卵黄型」と呼ばれ、後発の味の素は、卵黄、卵白の両方を使用しており「全卵型」と呼ばれます。なので、味の素など「全卵型」はマイルドな味です。「卵黄型」のキューピーは、年配の方が好む人が多い様です。
「卵黄型」は主にフランスなどヨーロッパで、「全卵型」は主にアメリカで好まれていた種類だそうです。
自分は味の素派ですが、さて、あなたはどちら派?
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