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サンタクロースといえば「クリスマスプレゼント」

サンタクロースといえば「クリスマスプレゼント」

1920~1930年代、アメリカのサンタクロースバージョンの切手です。
サンタクロースといえばクリスマスプレゼントを持ってきますよね。
でもそもそも日本でのクリスマスプレゼントって、いつから始まったんでしょうか。

サンタクロースバージョンの切手
1920~1930年代、アメリカのサンタクロースバージョンの切手

起源は明治時代

1906年(明治39年)キリスト教派の福祉団体である「救世軍」が、3万人を超える貧しい人々へのクリスマスプレゼントとして、籠に果物やパン・菓子・玩具などの詰め合わせが贈られました。当時、ニューヨークなどで行われていた“貧民への大規模なプレゼント作戦”を目標としていたようです。

これをきっかけに、一般の家庭にもクリスマスプレゼントの習慣が広がっていきますが、プレゼントの定番のひとつになぜか“歯みがき粉”が含まれていたのだとか。
実は“歯をよく磨く子は良い子だからサンタさんがクリスマスに来てくれる”という宣伝文句で歯磨き粉を贈るのが定番化したのです。
サンタクロースをダシにして子どもたちに歯磨きをさせるメーカーの広告戦略は流石です。

ちなみに、クリスマス商戦の先駆けは、1900年(明治33年)にクリスマスセールを始めた銀座の「明治屋」だといわれています。

大正時代には、クリスマスプレゼントという文化が日本においても習慣的に受け入れられました。
1919年(大正2年)帝国ホテルがクリスマスパーティーを主催しましたが、クリスマスパーティーという発想が生まれたのはこの時代からだとか。
日本の年末の贈り物といえば「お歳暮」。この習慣と相まって、この時期にプレゼントをするということに抵抗がなかったことも広まった要因のようです。
当時のクリスマスプレゼントは、サンタクロース人形、電気が灯るクリスマスの飾り付けをした家、タイプライター玩具、文房具、レターセット、チョコレートなどだったそうです。

昭和になると各家庭でクリスマスが当たり前のように祝われるようになり、子どもたちのほとんどがクリスマスプレゼントを貰える時代になりました。
1947年(昭和22年)に滋賀県の「近商物産」が発売し全国に広まった、真っ赤なブーツにたくさんのお菓子が詰まったクリスマスブーツが登場します。
これは、のし紙や包装紙に気を遣う日本ならではの発想だそうで、これもまた日本独自の文化だとか。

クリスマスブーツ

また、子ども向けのクリスマスプレゼント“おもちゃ”。これは昭和に入り定着したもののひとつのようです。
ゲーム機やキャラクターアイテム、文房具など、子ども向けのクリスマスプレゼントはその時の流行や好みで変化していきました。
1980年代に入り、恋人と過ごす日という大人のクリスマスが出現し、恋人、夫妻、男女間におけるクリスマスプレゼントの交換も広がりをみせ、日本独自の文化として浸透していきました。

出典:クリスマスプレゼント

1990年のマルイのクリスマスカタログ
バブル崩壊の前年、1990年のマルイのクリスマスカタログ。VHSビデオカメラやソニービデオウォークマン

クリスマスという名の“お祭り”

「年中行事となった日本型クリスマス」 前回からの続きです。
海外の人からすると不思議でしょうがない日本独自になっちゃったクリスマス。
デコレーションケーキ大人のクリスマスクリスマスブーツもメーカーやメディアに上手く乗せられてしまったけど、昔から日本人はお祭りイベント好きで、楽しく騒げれば良かったのかなーと思ったりもします。

クリスマスの発祥は西洋的宗教の根幹につながる部分であるが、そこは基本、無視する。祭りとして、その破壊的要素に着目し、日本的な祭礼と同じような日とする。そう決めた。

出典:日本の「クリスマス馬鹿騒ぎ」の起源は日露戦争の勝利だった!?

なんか、これに尽きると感じます。

そして、クリスマスプレゼントとは、親や親戚やお得意様などなどお世話になっている方に「お歳暮」を贈る習慣にプラスして、もっと身近な恋人や家族にお礼を伝えるプレゼント、という立ち位置ではないでしょうか。
いつの時代であっても、その人に喜ばれるプレゼントを選びたいものですね。

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