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「コーヒー牛乳」という名は生き続ける!

「コーヒー牛乳」という名は生き続ける!

コーヒー牛乳とは、牛乳などの乳製品にコーヒーおよび砂糖などで味付けした飲料の通称です。
2003年(平成15年)の規約により生乳(牛やヤギの乳を搾ったままで加熱殺菌の処理をしてないもの)100%のものしか「牛乳」と表記出来なくなったので、“コーヒー牛乳”という名称は使用できなくなってしまいました。腑に落ちませんが、しかし日常会話などでは今でも普通に“コーヒー牛乳”と呼ばれていて昔からの馴染みがあるため、この記事ではコーヒー牛乳と表記させて頂きます。(2000年に起きた雪印集団食中毒事件がなければ現在でも“コーヒー牛乳”と明記できたことでしょう)

コーヒー牛乳の誕生

1923年(大正12年)4月20日に守山乳業が開発製造した商品を、国鉄(JR)東海道本線国府津駅の駅弁店である東華軒売店で販売したものが、瓶入りで店頭に並んだ最初の「珈琲牛乳」です。当時の日本ではまだコーヒーは一般的ではなく、また弁当が1箱35銭(現在の換算で約500円)売られた時代に、珈琲牛乳は20銭(約290円)とかなり高額だったにもかかわらず飛ぶように売れ人気を博したそうです。コーヒーと牛乳を1対1にし砂糖を加えたカフェオレタイプだったそうです。
なお、4月20日は販売を開始した日として2015年(平成27年)に「珈琲牛乳の日」に登録されました。

研究を重ね3ヶ月の保存を実現したことで1927年(昭和2年)に鉄道省販売品の認証を受け、珈琲牛乳は日本全国の駅で販売されるようになりました。

守山牛乳ポスターと瓶

戦中は軍需品として、1945年(昭和45年)には被災しますが翌年には復興し珈琲牛乳は作り続けられました。しかし、1963年(昭和38年)には紙パックにて製造を続けましたが、大手メーカー各社や中小乳業の市場への参入などから苦戦し、次第に守山乳業が小売市場から距離を置くようになり、やがて珈琲牛乳の販売を終了してしまいました(終了時期は不明)。

画像は昭和30年代初期~中期の守山牛乳ポスターと瓶。出典:守山乳業(株)

雪印のコーヒー牛乳

小さい頃から好きだった雪印メグミルクの「雪印コーヒー」、1963年(昭和38年)に三角テトラパックの形で「雪印コーヒー牛乳」として発売されたところから始まります。
1970年(昭和45年)には500mlのゲーブルトップタイプ紙パック入り「雪印ラクトコーヒー」500mlを関西で発売し、翌年以後、発売エリアを東海・関東と広めて、1974年(昭和49年)には、全国にエリアを拡大します。
ちなみに、「雪印コーヒー」を象徴する“茶・黄・赤”という色の組み合わせは1970年のパッケージ導入当時、食品としてはかなり斬新(異質)な配色だったとか。

1978年(昭和53年)に1000ml入り紙パック発売。インスタントコーヒーが主流だった当時、アイスコーヒーは喫茶店で飲むおしゃれな飲み物だったことから「雪印コーヒー」もそのイメージにあやかり、しゃれたグラスのイラストを採用したそうです。こうして「雪印コーヒー」はロングセラー商品として今も販売されています。

雪印コーヒー牛乳

左の画像の「雪印コーヒー復刻版」は2017年に55周年を記念して1970年(昭和45年)当時のパッケージを再現し限定発売されたものです。昭和レトロなパッケージだけではなく味も当時のコーヒー牛乳を再現したとか。味は今のより甘さが強く、定番ロングセラーも時代の好みに合わせて進化しているようです。

右の画像は、瓶入りの「雪印コーヒー」、主に銭湯とか宅配用に販売されています。なお、王冠ジュース瓶仕様の「コーヒーミルク」が元祖で、1957年(昭和32年)に瓶の「雪印コーヒー牛乳」の製造を開始しています。
出典:雪印メグミルク

宅配牛乳の記事はこちら→昭和レトロな牛乳販売店の看板

その他のコーヒー牛乳

小岩井コーヒー(小岩井乳業)、マイルドカフェオーレ(グリコ)、森永珈琲(森永乳業)、明治コーヒー(明治)、ちょっとすっきりミルクコーヒー(伊藤園チチャス)、ひまわりコーヒー(ひまわり乳業/四国地方)、白バラコーヒー(大山乳業/関西・中国地方)などあります。

出典:コーヒー牛乳

瓶入りコーヒー牛乳

最後に

一口飲んだ瞬間にまろやかな甘さが口いっぱいに広がっていくコーヒー牛乳、無性に飲みたくなることもあります。
そして、もはやこの雪印コーヒーはコーヒー牛乳の定番、お子様からお年寄りまで嫌いな人はいないんじゃないでしょうか。
コンビニでも500mlが手頃な値段(100円ちょっと)で手に入ることからついつい買ってしまいますが、砂糖などを大量に使用しているので糖分が…。でも、風呂上がりの水分補給と糖分補給にはもってこいの逸品ですよね。
ブラック派の人からすれば、おっそろしい位に甘い味付けとなっている為“コーヒー要素がどこにあるのか”と言われたりしますが、それがよかったりします。しかしながらこの味も、時代のニーズに合わせて変化していくことでしょう。

★雪印コーヒーをオシャレにしてしまうcoffee_g_newさん★

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