幸運の黒ネコ「フィリックス」
アメリカ生まれの「Felix The Cat(フィリックス・ザ・キャット)」のキュートな魅力にいち早く注目したのは80年代の女の子たちでした。
今でも、ガーリーアイテムとして懐かしグッズから最新のグッズまで販売されている「フィリックス」についてお話します。
「フィリックス」の輝かしい歴史
2019年に100周年を迎える、長い歴史を誇ります。
名前の由来はラテン語のフェリシアス(=幸運をもたらす)とフェーリス(=猫)から、また別称はTough Minded Catで、強い心を持った幸運をもたらすネコ、それがフィリックスです。
1919年映画の主人公として誕生し、第一次世界大戦後、元気を失ったアメリカを笑いで救いました。
当時クロネコは不吉の象徴と言われていましたが、映画や掲載されたコミックスは大人気となりアメリカの国民的キャラクターとなりました。
1927年、大西洋単独無着陸飛行に初めて成功したチャールズ・リンドバーグ、飛行機の機体には“幸運のシンボル”としてフィリックスが描かれていました。
1928年アメリカで世界初のテレビのテスト放送が行われた時、モデルとして全米に放送されたのがフィリックスのフィギュアでした。
メーシーズ(アメリカの有名百貨店)による感謝祭のバルーンパレードにマンガキャラクターとして初めて登場しました。
映画ではチャールズ・チャップリンと共演し、英国エドワード皇太子のポロチームのマスコットに選ばれ、ニューヨークヤンキースの公式キャラクターにも起用されました。
そして、フィリックス作品は劇場で公開されるやいなや世界的な人気者となり、フィリックスグッズも生まれ様々なシーンに登場することになりました。
日本に登場したのは?
1960年、NHKで白黒放送のアニメがはじまりました。その後フジテレビで「それいけフィリックス」が放送されると大人気になり高視聴率をマークする大ヒットになりました。
フィリックスのイラストでお馴染みの、マルカワのアタリ付きのガムが登場したのもこの頃です。
参考:丸川製菓株式会社/商品ラインナップ(アタリ付き商品)
1980年代には、NYやパリコレクションのファッションショーに登場し、女性雑誌にも掲載されコマーシャルやキャラクターグッズが大ブレイクしました。
漫画「のらくろ」(作者/田河水泡)のキャラクター創造のヒントになったり、「ドラえもん」(作者/藤子・F・不二雄)の四次元ポケットの発想の原型になったりと影響を与えた「フィリックス」。
今でも世界中で愛されているキャラクターで最も有名な黒猫“Felix The Cat”です。
そして、フィリックスの黄色いカバンから何でも出て来るという仕掛けの未来的なスタイリッシュさは、ディズニーのミッキーマウスには無いところで、ややマイナーでありながら根強い人気に繋がっているのではないでしょうか。
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