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エジソンが「トースター」を宣伝したせいで太る人が多くなった⁈ 

エジソンが「トースター」を宣伝したせいで太る人が多くなった⁈ 

スライスしたパンをトースト(toast)“パンの両面をこんがり焼いく”ということを始めたのはイギリスで1600年代の後半まで遡るそうです。
肉汁やスープなどを残さずきれいに食べるためのパン切れが、水分によってすぐに分解しないように予め火にあぶって焼いておく、というのがトースト(toast)の起源だそうです。
そして、世界で初めて食パンが作られたのは18世紀のイギリスと言われています。現在のようにスライスしたトーストにバターを塗って食べるのが人気となるのもこの頃だとか。

トースト

トースターの登場

電気トースターが現れる以前、蝶番(ちょうつがい)の付いたフォークでパンをはさみ直接炎にかざしてパンを焼くという事が行われ、その後、石炭を燃料としたストーブが使われるようになると、針金で作った籠にパンを入れストーブの上に置いてパンを焼くという事が行われています。また、ガス式のもので、丸い天板の4か所に太い針金を取り付け、その上にのせたパンをオーブンで焼くという鉄板式トースターもできました。
やがて1893年に英国のクロンプトン社から電熱線を使った最初のトースターが発売されます。これ以後、電気でパンを焼くスタイルの始まりとなり、各社によって開発がはじまります。

電気トースター「HOTSPOT」

トーマス・エジソンが1910年に発明したとされる、エジソン・ジェネラル・エレクトリック社製のカーラー状の電熱線(ニクロム線)電気トースター「HOTSPOT」。このトースターで「朝食にパンを焼いて食べる」ことを盛大に宣伝し、人々は1日2食だったところを朝食を摂るようになり3食になったとか。(以後、栄養の取りすぎで太った人が増えていったそうですが)

そして、1919年にトーストが焼き上がるとタイマーによって自動的にパンが上部に跳ね上がるポップアップトースターが考案され、改良されながら、1926年には最初の実用的な家庭向けトースターとなって発売されました。

ポップアップトースター

日本では、「食パン」(イギリスより山型白パンが伝わる)が登場するのは、1878年(明治10年)頃からといわれています。
しかし、米食が中心だったため積極的に取り入れるようになったのは終戦を迎えてからでした。
ちなみに、1874年に「あんぱん」、1901年に「クリームパン」が登場。当時の人々にとって、パンといえば菓子パンだったのです。

日本で最初の電気パン焼器(電気オーブン)は1949年(昭和24年)に発売されました。2重構造の箱の内部の上下にそれぞれ300wのニクロム線ヒーターを配し、焼網・焼皿も付属していました。
自動式と手動式のポップアップ型トースターは1955年(昭和30年)に発売されたようですが、メーカーはわかっていません。この頃はパン食の普及と共に、インスタントコーヒーやティーバッグの紅茶も出始めました。なお、この時はまだ電力事情が悪く朝食用には使えなかったとか。
1965年(昭和40年)にはオープンとトースターが合体したオーブントースターが発売されました。以後、様々なトースターが開発され発売されます。

日本の食パンあれこれ

食パンの元祖

日本の「食パン」の元祖は、ロバート・クラークという人が横浜で1888年に始めた「ヨコハマベーカリー(現・ウチキパン)」というお店で作られていたイギリス風の型焼きパンで、石窯焼きでとても美味しいと評判のパン屋さんだったそうです。当時の横浜はビールの製造が盛んで、食パン作りに大切なイースト菌の代わりになるビールのホップが調達しやすい環境にありました。ウチキパンは現在もあり、創業当時と同じ作り方で「イングランド」という名称の食パンとして人気です。

食パンの数え方

食パンは「1斤(きん)」「2斤」と数えますが、これはイギリスから伝わった焼き型を使ってパンを焼くとだいたい1ポンド(約450g)になり、ポンドのことを「英斤」と呼んだことに由来しています。なお、現在の食パン1斤は製パン業界では1斤を340g以上(一般的に流通しているのは約350~400g)と定めているそうです。

何枚切りがお好き

地域により違い、関西では5枚切りが人気で、関東では6枚切りが好まれるそうです。一説には、“お好み焼きなどの粉もの文化の関西ではふっくらとした食感が好まれ、関東ではおせんべいのようにカリカリした食感が好まれるから”らしいです。ちなみに、食パン消費量(g)では関西圏が多い。(総務省の家計調査より)
そして1枚の厚さは、4枚切りは約30mm、5枚切りは24mm、6枚切りは20mm、8枚切りは15mm、10枚切りは12mm、12枚切りは10mmで、たかが数ミリの差ですが、これが食感に大きな違いをもたらすそう。

昭和のピザトースト

昭和の喫茶店のメニューといえば「ピザトースト(ピザ生地のかわりにパンの上にピザの具を乗せてオーブントースターで焼いたもの)」。発祥は、東京・有楽町にある1957年(昭和32年)オープンの喫茶店「紅鹿舎(べにしか)」といわれていいます。ピザがまだ高級メニューだったころ、サラリーマンの少ないお小遣いでも食べられるように考案したものだとか。今でも「元祖ピザトースト」として提供されていて、“では、悪魔しますか?”と声をかけられるシュール過ぎる「悪魔の炎」(コーヒーです)も有名。

出典:トースター
出典:一般社団法人 家庭電気文化会
出典:食パン
出典:ミカド電装商事

ポップアップトースター

思ったこと

トースターというと食パンが焼きあがるとポン!とパンが跳ね上がって半分飛び出すタイプ、ポップアップ型と呼ばれるようですが、自分が小さい頃はどこの家にもあったような気がします。今ではすっかりオーブントースターが主流ですが、やはり、この昭和レトロなポップアップ型トースターで焼いたトーストの方が美味しそうに感じてしまうのは小さい頃の思い出からきているのでしょうか。
英語では一般的な食パンのことを「white bread」と言いますが、そのままの訳で“白いパン”といえば、子どものころって“パン=食パン”のイメージが強いので、「アルプスの少女ハイジ」に出てくる丸い膨らみをもった柔らかそうな“白いパン”がとても魅力的に映ったものです。あと、「天空の城ラピュタ」の名シーンの一つ、パズーとシータが美味しそうに食べているトーストに目玉焼きが乗った“ラピュタパン”、すぐ真似して作ったものですが、あまり美味しくなかった(汗。
やはり食パンは準主食ですね、米飯に勝るものはないかな。

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