昭和に流行った「おもちゃ」たち
高度経済成長期から昭和が終わる頃までの、ブームとなったり大流行した昭和レトロな「おもちゃ」を写真を交えて紹介します。
おもちゃとは?
おもちゃは、楽しみと空想性と模倣性を組み合わせたもの。そして、おもちゃの歴史を作ってきたものは、「子どもの要求」「歴史家の興味」「おもちゃの収集家の存在」そして、 「すっかり成長した大人でも、きっぱり断ち切ってしまうことのできない子ども時代を懐かしむ気持ち」であり、 どれも同じ重みを持っているといえる。
「おもちゃの文化史」A・フレイザー著
1933年(昭和8年)ハナヤマから発売、昭和40年代に色が鮮やかな現スタイルのプラスチック製になり、これで遊んだ方も多いと思います。地味でも意外と息が長いゲームかも。
1958年(昭和33年)エポック社から発売の野球を題材としたボードゲーム。漫画『巨人の星』の人気とともに “消える魔球”を再現できる機能が追加され一大ブームになりました。
他にも1958年は、日本最初のプラモデル「原子力潜水艦ノーチラス号1/300」がマルサン商店から登場し、またフラフープも大流行しました(わずか40日足らずでブームは終焉したもよう)。
プラモデルは、1962年から63年にかけてはゼロ戦・隼・戦艦大和など、1966年に日本で放送が開始された『サンダーバード』に登場するメカ、1977年頃にはスーパーカーブームで自動車プラモデル、1980年はテレビアニメ『機動戦士ガンダム』に登場する人型兵器をモチーフにした「1/144ガンダム」が発売され「ガンプラ」の大ブームになりました。
1960年は宝ビニール工業所(現・タカラトミー)からビニール人形「ダッコちゃん」が発売され若い女性を中心に大流行、そして西部劇ドラマの流行で「ガン・ブーム」も起きました。
1961年(昭和36年)タカラトミーから発売されたロングセラーな鉄道おもちゃ。プラレールの記事はこちら→半世紀以上前のレールがつなぐ「プラレール」
1962年(昭和37年)河田(現・株カワダ)から発売されたプラスチック製ブロック。ブロックの記事はこちら→大人も子どももハマる「ブロック(積み木)」
1965年(昭和40年)アメリカからスーパーボールが渡来。弾力がある2~6cm程のゴムボールで大きく跳ねるのが特徴の駄菓子屋定番おもちゃ。予期せぬバウンドで物を壊すこともあり。
1966年(昭和41年)歯車の穴にペンを差し込んでギアに沿ってぐるぐると回して書くと不思議な幾何学模様が書ける定規のおもちゃ。デザイン定規とも言われ、現在も発売されています。
1966年は、マルサン商店からテレビ番組『ウルトラQ』『ウルトラマン』に登場する怪獣のソフトビニール人形「ソフビ怪獣」を発売し1968年頃まで怪獣ブーム(第一次怪獣ブーム)に、1971年~74年にかけてはウルトラ怪獣のソフビ人形が復刻されたり、特撮テレビドラマ『仮面ライダー』が1971年に放送され変身ブームが起き(第二次怪獣ブーム)、1979年にはウルトラマン人形が全国的に大ヒットしました。
1967年(昭和42年)タカラから発売された着せ替え人形おもちゃ。少女漫画のヒロインのような顔立ちと親しみやすさで他の人形を圧倒し、現在では着せ替え人形の代名詞と化しています。ファッションドールの記事はこちら→「スカーレットちゃん」から見るファッションドール
1969年(昭和44年)にアサヒ玩具が発売した、レンジやフライパン・フライがえしの他、ホットケーキミックスとメイプルシロップもセットになっていた業界初の電熱器付きレンジおもちゃ。当時まだ普及途上であったシステムキッチンのガスコンロをおもちゃで再現したもの。
1968年はタカラ(現・タカラトミー)から双六を発展させた「人生ゲーム」が発売されロングセラー商品に、そしてこの年はテレビアニメ版『巨人の星』を代表とするスポ根ブーム全盛時、家庭用バッティングマシーン「ウルトラマシン」が任天堂から発売され大ヒットとなりました。
1970年(昭和45年)トミーから発売。実車のイメージを忠実に再現した手のひらサイズの自動車おもちゃ。現在では世界中にコレクターが存在するロングセラー商品。
1971年(昭和46年)わずか一か月だけ大流行した、手首を縦に振り3~4cm程のプラスチック製ボール(クラッカー)を上下で当てカチカチと音を鳴らして遊ぶうるさいおもちゃ。
他には、1970年前後のボウリング・ブームから1971年にエポック社から「パーフェクトボウリング」発売され大ヒット、1972年には日中国交正常化を記念してジャイアントパンダ(カンカンとランラン)が来園しパンダ・ブームが起こり、パンダのぬいぐるみや玩具が流行しました。同年、エポック社から立体パズルゲーム「パーフェクション」、1973年にはツクダ(現・メガハウス)から「オセロゲーム」やポピー(現・バンダイ)から「超合金マジンガーZ」、1974~75年は人形メーカー・セキグチの「モンチッチ」、ジグソーパズル、アメリカのビニール製三角凧「ゲイラカイト」が人気になりました。
1975年頃から流行りだした消しゴム機能がないおもちゃ。記事はこちら→流行ったよね!懐かしい「スーパーカー消しゴム」
1975~76年の流行は、トミー(現・タカラトミー)から「黒ひげ危機一発」、サンリオの「ハローキティ」や「マイメロディ」、コカ・コーラの販促品「ラッセルヨーヨー(第三次ヨーヨー・ブーム)」、童謡『およげ!たいやきくん』の関連グッズ、ポピー(現・バンダイ)の『キャンディ♥キャンディ』関連キャラクター商品など。
1975年(昭和50年)に増田屋コーポレーションから発売されたふわふわモール製の不思議な動物のマスコット。テレビCMでは“変なの?でも面白い‼”と言うキャッチコピーでしたが操作が出来ない子どもやお父さんにはストレスの種でした。
1978年(昭和53年)ツクダオリジナルから発売された、どろどろでぬるぬるした物質をただ触って遊ぶだけのおもちゃ。戦中、ゴムの産地を日本軍に占拠され、ゴム不足となったアメリカで人工的にゴムを作ろうとして生まれた物だったとか。
1978年(昭和53年)タイトーから発売。翌年に空前のヒットとなり、インベーダーハウスと呼ばれるゲームセンターや喫茶店・スナックの全国各地で置かれました。
1980年(昭和55年)タカラトミーから発売。3~4cm程の大きさで、ゼンマイばねで駆動するディフォルメされた丸いフォルムがキュートなプラスチック製ミニカー。
1980年(昭和55年)に発売された任天堂開発による初の携帯型液晶ゲーム機。ゲームをしない間は時計として使えたことからゲーム&ウオッチという商品名になったとか。国内外で大ヒット。
1983年(昭和58年)任天堂から発売された家庭用ゲーム機、略称・ファミコン。1988年(昭和63年)には「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト3」などテレビゲームソフトが大ヒット。
他に1980~88年に流行したものは、1980年「ルービックキューブ」、1983年「キン肉マン消しゴム」、1985年ゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」、1988年「UFOキャッチャー」など。
平成に入るとテレビアニメのマスコミ玩具のブームもありますが、昭和に流行ったおもちゃの復刻進化版や家庭用ゲーム機のゲームソフトに変わっていきます。2016年(平成28年)にはスマホのゲームアプリ「ポケモンGO」が大ヒットしたりして、大人を相手とする玩具も数多く登場しています。
ちなみに、15歳以下の人口減少と共に玩具市場規模は2009年に底を打ち、以後増加に転じています。2020年度の伸び率はジグソーパズル・ハイテク系トレンドトイ(インタラクティブトイ[双方向対話をするような形式で操作するパソコン・pad型の玩具]、ロボット、カメラ、アプリ系)・ボードゲームなどの一般ゲーム・知育玩具などが高く、反対にキャラクター玩具・のりもの玩具(ミニカー、レールトイなど)・ドールままごと(着せ替え人形など)は昨年に比べても下がっています(一般社団法人・日本玩具協会、2021年より)。
コロナ禍において、家で楽しめるゲームや小学校のプログラミング教育(2020年より必修化)の遊びながら学べるおもちゃなどの需要が高まったようです。
なお、おもちゃ業界では大人向け商品やボケ防止シニア層向け商品にも拡大を図っているそうです。
街中のおもちゃ屋もなくなり、駄菓子屋にあったすぐ壊れる玩具は大人が懐かしむモノになり、昭和レトロな玩具は高額なレアアイテムとしてコレクション収集家のターゲットとなり、そして高級化したおもちゃも多くなり、これからは大人が流行らせるのかもしれませんね。
出典:Wikipedia
出典:おもちゃ情報net.おもちゃの歴史年表
出典:日本玩具文化財団:おもちゃの歴史
出典:玩具
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