ほうれん草好きの水兵「ポパイ」、誕生から90年
ほうれん草が大好きな水兵を主人公にしたアメリカ人気コミック「ポパイ(Popeye)」は、1929年1月17日に初めて紙面に登場しました。
原作者はエルジー・クリスラー・シーガー(Elzie Crisler Segar)。
日本では1959年からテレビアニメが放映され、何をやっても不死身なところが受けて一躍人気になりました。再放送も数多くされています。
ということで、アメリカのアニメとして今でも日本で愛されている「ポパイ」の思い出を振り返ってみます。
一番気になる“ほうれん草の缶詰”
ポパイといえば、ほうれん草の缶詰を握り潰して開封し、流し食いしてパワーアップするというのが有名ですが…
昔のアメリカではほうれん草嫌いの子供が多く、親がなんとかして子どもに食べさせようとしてアニメのキャラを使った策略説とか、「全米ベジタリアン協会」という組織の菜食主義を広める宣伝として、人々に親しまれるキャラクターが一番、という理由で採用された説とかがあります。
でも、子供ながらに不思議だったのがほうれん草が缶詰になっているというところ!
どうやら、あちらのほうれん草は味が濃くかたいみたいで、生で食べるにはちょっと大変、という理由もあるそうです。生食用は、別に売られているそうですが。
缶詰になったのは、1933年にアニメ化され人気になったために作られたみたいです。販売はあまり伸びなかったそうですが、今でも【ポパイのスピナッチ缶】として売られています。
余談ですが、アニメ化される前の漫画版では“ほうれん草”ではなく“キャベツ”を丸ごと1個食べていました。
ついでにアニメ版では、ほうれん草に出会う前のパワーアップアイテムは“ニンニクの香り”だったそうです。
因みに後年、本当にほうれん草に筋肉増強効果があることが発覚します。ただし、ほうれん草にはビタミンAが多く含まれていて過剰に摂取すると禿げる危険性もあるそう。ほどほどが良いですね。
アニメの「ポパイ」といえば
ポパイとブルートがヒロインのオリーブを取り合う中年のラブコメディを毎話展開するのが定番スタイル。
ちなみにポパイは34歳、オリーブが29歳、ブルートは36歳という設定らしいです。なので、少し大きくなってから「コイツら、いい歳こいて何をやってるんだ」と感じましたが、昔のアニメなのに今見ても確実に面白いです。
「ポパイ」は、ギャグのオンパレードのハイテンションアニメで、その演出は日本には無い独自の発想と、アニメだからと割り切ってどこまでも非現実的な物語の展開をするアニメの可能性を広げた“世界的ヒットアニメ”ですね。
登場人物・キャラクター
プープデック・パピー(Poopdeck Pappy)ずっと昔にポパイを捨てたというポパイの父。性格はポパイと正反対。
ミス・バタフライ・プーデック(Granny)おばあさんとしてよく知られていますが、漫画に登場するキャラクターは、プーデック・パピーの母であり、ポパイの父方の祖母。
J.ウェリントン・ウィンピー(J. Wellington Wimpy)年齢は34歳。太った中年男性。無類のハンバーガー好きで、いつも片手に食べかけのハンバーガーを持ち歩いている。
スウィーピー(Swee’Pea)ポパイが「養子にした」というませた赤ん坊。かなり賢く、言葉を話す。デモニア国の皇太子という設定。
ポパイ(Popeye)水兵のセーラー服姿で、ひしゃげた顔をしている小男。いつも口にパイプをくわえ、両腕にはイカリの入れ墨を入れています。困った時の口癖は「なんてこったい!」。
オリーブ・オイル(Olive Oyl)ポパイの恋人。のっぽで痩せっぽちだが気が強い。ポパイが頼りない態度をとると、ブルートへ浮気することもあります。
ジープ(Jeep、Eugene the Jeep)犬に似たミステリアスな動物。超能力を持っており、瞬間移動や予言をしたりする。
キャスター・オイル(Castor Oyl)オリーブ・オイルの兄。ひまし油の英語名(castor oil)をもじっている。
オスカー(Oscar)はげかかった、歯のない、あまり明るくない友人。奇妙な仕事をしている。
アリス(Alice the Goon)腕とすねが毛深い乱暴者の大女。ポパイのことが好き。
ブルート/ブルータス(Bluto/Brutus)ポパイの同僚の水兵でライバル。身長2メートルを超えるヒゲ面の大男。腕っ節の強さはポパイ以上。オリーブに惚れており、腕力でポパイを圧倒しますが、最後には必ずポパイにやられます。
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