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アンティークな時代箪笥

アンティークな時代箪笥

「時代箪笥」や「和箪笥」というと、ずいぶんとかしこまった遠い存在のように感じますが、英語でも「TANSU」と呼ばれ人気を集めています。
江戸時代後期から昭和初期までにつくられた和箪笥は「時代箪笥」と呼ばれ、アンティーク時代箪笥として残っています。
単なる収納家具ではない、抽出し(ひきだし)の引き手や角に金属製の飾りが付いている凝った装飾が特徴の時代箪笥のお話です。

時代箪笥

和箪笥の歴史

歴史はわりと浅く、誕生したのは江戸時代前期に大坂で誕生したといわれています。
箪笥が使われる以前の日本の収納家具は、蓋の付いた箱状のもの入れ物、櫃(ひつ)・長持(ながもち)・葛籠(つづら)・行李(こうり)、また着物を掛けておく衣桁(いこう)などでした。
箪笥の特徴は何といっても抽出し(ひきだし)を備えたことで、これにより大量の衣類や持ち物を効率よく収納できるようになりました。
庶民の生活にもゆとりが生まれ始めた江戸時代から、箪笥が登場したのではないかと考えられます。

一般に広まり始めたのは、元禄時代(1688~1704年)頃といわれています。
江戸時代中期には箪笥もかなり広く普及し、武家では箪笥といえば嫁入り道具の必需品にまでなりました。
高価な品物であったため、庶民にまで箪笥が広まるのは江戸時代末期からだそうです。

全国各地で趣向を凝らした箪笥が作られ始めたのは明治以降で、明治から大正期に優れた時代箪笥が数多く作られました。
最盛期は明治30年代から大正初めだそうで、昭和に入ると東京式の桐箪笥が全国的に流行し、時代箪笥は次第に衰退していきました。
出典:Wikipedia

用途から見た箪笥

衣装箪笥は衣類を収納する箪笥のことで最もポピュラーなものですが、江戸時代は用途によって色々なタイプの箪笥がつくられていました。

時代箪笥
衣装箪笥/木目を活かしたケヤキ材、“錠前(じょうまえ)”と呼ばれる牡丹化粧座金(ざがね)の鍵穴、蕨手(わらびて)と言うデザインの“引手(ひきて)”取っ手部分、“縁金具”など
時代箪笥

船箪笥(ふなたんす)

物資輸送のために活躍した弁財船(千石船)などで、船乗りが使っていた貴重品入れ。
たとえ船が難破したときにでも壊れないようにと、頑丈に作られた船箪笥は盗難防止もかねて複雑な細工が施されています。
また、船乗りの威厳と富を象徴するものだったため、職人の技術を駆使し生まれた華麗な装飾がほどこされているのも特徴です。

帳場箪笥(ちょうばたんす)

商家や宿屋など客商売のお店の帳場(お客が支払いをしたりする場所)に置いて金庫のように使ったもので、帳箪笥とも呼ばれます。
帳簿をはじめ、金銭や印判、証文など大事なものを収納しました。
人目に付く場所に置かれるため、立派に作られたものが多くバリエーションやデザイン的にも凝ったものが多かったんだそう。

車箪笥

衣装箪笥や帳場箪笥の下に車がついたもの。火災時に少人数で運び出せるようにと考えられた箪笥です。
江戸・大阪・京都といった大都市では、大火の際にこれらが道に引き出されると混乱をきたすため、製作も販売も禁止されていたようです。

水屋箪笥(みずやたんす)

水屋とは茶室の隅にある茶器等を洗ったり置いたりする場所のことで、それがいつしか台所に置いた、食器や食べ物等を入れる箪笥の呼称になったようです。
形は抽斗や引き違い戸を組み合わせた、上下ふたつ重ねになったものが主流です。扉はすのこや金網等をつけて風通しをよくしたもの、文様をくりぬいた木の飾り桟がついたものなどが見受けられます。

茶箪笥

本来は茶道具を入れる小型のもので、前面いっぱいにけんどん扉がつき、上に下げ手が付いています。一般家庭では茶の間に置かれる箪笥で、違い棚や袋戸棚などが組み合わせている箪笥のことをいいます。構成的にも素材的にもバリエーション豊富で、趣向を凝らして使い勝手のいいように工夫されたものが多く、年代の若いものは硝子戸がはめ込まれているそうです。

階段箪笥

階段の下を収納に利用した箪笥で、抽斗や開き戸などを組み合わせた形になっています。「箱箪笥」ともいいます。
狭い町屋や土蔵に階段によく使われています。建物のサイズに合わせて作られていますので、かなり幅が狭くて急なもの、手すりのついたもの、柱や壁と一体になったもの、移動もできる自立ものなどもあります。

薬箪笥

漢方薬を分類・整理するための小さな抽斗が多数ついた小型の箪笥のことです。抽斗のサイズや数はさまざまで、ほかの箪笥より数倍、抽斗の数が多いのが特徴です。百味箪笥(ひゃくみたんす)ともいいます。
このほかにも抽斗の多い箪笥として有名なのは「香具箪笥」「歌書箪笥」「花箪笥」などがあります。

手許箪笥(てもとたんす)

櫛や煙草などの日用品から、お金や印判、証文などといった貴重品などの小物の収納箪笥。閂(かんぬき)式の鍵もついています。小さめサイズの箪笥ながら豪華な装飾を施したものもたくさんあるんだとか。

刀箪笥

刀を収納するためだけの箪笥。刀がぴったり収まるように抽斗も幅は広く、深さは浅い。小さな抽斗には刀の鍔(つば)やお手入れ道具を収納したそう。抽斗の中には刀を寝させるため枕が付いていたとか。

材質、産地

材質では、桐で作られたものが高級品として有名です。他に、欅(ケヤキ)、栗(クリ)、杉(スギ)、田面(タモ)、桜(サクラ)、楢(ナラ)などの木材がよく使われています。
産地では、仙台箪笥、岩谷堂箪笥(岩手県江刺市)、米沢箪笥(山形県米沢市)、庄内箪笥(山形県酒田市と鶴岡市)、二本松箪笥(福島県二本松)、佐渡箪笥、松本箪笥(長野県松本市)などが有名です。

時代箪笥

最後に

今よりちょっと昔の明治時代や大正時代に生まれたアンティーク時代箪笥。そう考えるだけでも少し身近に感じられますよね。
また時代背景やもともとの用途を知るだけでも、急に「時代箪笥」が魅力がある存在になり、時間の経過に思いをはせることができ興味が湧いてきます。
味のある時代箪笥は現代的インテリアにも合うので、お部屋の模様替えの際には、和箪笥を取り入れてみるのもいいかもしれません。